ブラックミラーシーズン1第1話『国歌』に関する、ネタバレなしの感想や評価と、ネタバレありの結末や考察を書いています。
目次
ブラック・ミラー シーズン1-1「国歌」より
基本情報
邦題 | 国歌 |
原題 | The National Anthem |
監督・ディレクター | Otto Bathurst/オット・バサースト |
原作・脚本 | Charlie Brooker/チャーリー・ブルッカー |
主演男優 | Rory Kinnear/ロリー・キニア |
主演女優 | Lindsay Duncan/リンゼイ・ダンカン |
動画配信サービス | Netflix |
ジャンル | 海外ドラマ/SF/サスペンス/胸糞 |
おすすめ度 | ★★★★☆☆☆☆☆☆(4点) |
エピソード1ストーリーあらすじ
英国王妃が何者かに拐われる。 犯人の要求は、首相に”あるショッキングな行為”をさせ、それを全国民に向けて生中継することだった…
側近たちはあらゆる方法で首相にその行為をさせずに済むように手配するが、犯人は常に先手を打って彼らの行動に成果を与えなかった。
撮影方法まで指定し、決して替え玉も許さない姿勢を見せる。
大騒ぎとなったのはマスコミも同じだった。
各社が情報収拾を進める中で、マライカという女性は、独自のコネを使って官僚から情報を引き出すことに成功し、上司の命令を無視して動き始める。
世論の動きが頻繁に報道される中で、刻一刻と指定された時間が迫っていた。
そんな中、公妃が拉致され、捕まっているであろう場所が特定される。
そこにはマライカも潜入したが、果たして…?
ネタバレなし感想・レビュー
イギリス版「世にも奇妙な物語」といった風情のある一話完結のオムニバス作品「ブラックミラー」。
3部構成となっているそのシーズン1の第1話。
もしも一国の首相がこんな状況に陥って、このショッキングな要求を突きつけられたら、どうなるか?
首相はどんな決断を下し、政府や国民はどういうリアクションを取るか?
そういう単純な好奇心をくすぐるストーリーとなっています。
好奇心をくすぐるので、約45分という放送時間の短さもあり、最初から最後まで一息の緊張感の中で、どうなるどうなると常に集中して楽しめる作品に仕上がっています。
最後まで集中して見られる点は良いけど、ただ見終わった後に、「だから何?」という感覚に陥ってしまう人は、少なく無いかもしれない。
あまり深く考えず、ちょっとしたブラックユーモアを含んだ”もしもストーリー”を楽しむくらいに思ったほうが良いのかもしれません。
ブラックミラーは大好きなシリーズですが、この話に限って言えば、それほどおすすめはしないですね。
ネタバレあり結末・ラスト・考察・感想
⚠以下ネタバレを含むので視聴前の方はご注意ください。
犯人が王妃を拐い、首相に突きつけた要求は、ご覧の通り豚とどうこうという、そういう物でした。
一国の首相が、豚とするところを生中継する、という状況は確かにショッキングであり、キャッチーでもあり、国民は犯人のあまりの下劣な要求に嫌悪しながらも、結局はテレビ中継に夢中になってしまう。
画面に釘付けになっているうちに、王妃は白昼堂々解放され、しかも解放された時間は、苦渋の決断を下し首相が”行為”を始める30分前だったという皮肉。
もしも世間が画面に釘付けになっていなければ、この一連の犯行は中継が始まる直前に解決をみて、首相は何もせずとも全て丸く収まったはずでした。
でもそうならないことが分かっていた犯人による、愚かな大衆心理への挑発的な犯行であり、また首を吊った犯人がテレビを背にしていたことが、「私は見ない」という意思を表していたようでもありました。
ただ私的な感想で言うなら、首相がああいう事をして、そこまで全国民がテレビに釘付けになるだろうか?という疑問はあります。
その時間にたまたまテレビを観ることしかやることが無かったら観るかもかもしれませんが、全てに優先させて何も手につかなくなるほど夢中で観てしまう、というような魔力は、全然無いようにも感じました。
それでも、監督の映像センスは抜群で、シーンのテンポもよく、のめり込んで見ていましたが、でも結末で、あれだけ苦しんで王妃を救おうと、あそこまでヤッた男に対して、首相夫人が冷たく避けるように去っていくシーンが、どうも腑に落ちなかったです。
そうなるかな?
もうちょっと優しくしてやっても良いんじゃないかな?と。
王妃を助けるためであって、好きでやったわけでもないのに、「サイテー…」みたいなね。
自分は何をするわけでもなく、ただ口だけ出して、失っても無いのに失ったような顔をして、あの嫁こそ最低だったのでは無いでしょうか。
そういえば中継に入る前の指示で、「あまり早く終わると喜んでると思われるから気をつけて」みたいな側近の忠告がバカバカしくて面白かったです。
わざわざ心理学者の意見としてそんなことを、めちゃくちゃシリアスに告げるおばちゃん…
そして”援助する”ために設置された映像が、まったく興奮できないような拙いもので、しかも静止画という。
笑わせに来てるとしか思えない。
私が首相だったら、あの静止画を見てとりあえず「おいマジか」と、人生最低の笑いが出てしまうと思います。
ラストの”その後ストーリー”の描写が、もうちょっとシャープで腑に落ちるような内容だったら、結構面白い、一発ギャグみたいな位置付けの作品として、7点くらいまで上がったのかもしれません。
見終わった後「…え、そんな終わり方?!」という感じが残ってしまいました。
後味の悪さこそがブラック・ミラー的だとは思うのですが、首相は全てを失ったわけではなく、表面的には未だ立場を維持して、テレビなどにも出ている状況で、嫁とだけうまくいかないみたいな、中途半端に救われないという感じが、微妙でした。
第二話のレビュー記事を引き続きご覧になられる方はこちらからどうぞ。
ブラックミラーシーズン1第2話『1500万メリット』感想と評価(ネタバレなし&あり)
ブラック・ミラー記事まとめ
『ブラック・ミラー』のシーズン別個別感想記事をまとめております。
シーズン4の情報なども掲載しておりますので、合わせてご覧ください。
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