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ブラックミラーシーズン4 第5話『メタルヘッド』感想と評価

ブラックミラーシーズン4第5話『メタルヘッド』に関する、ネタバレなしの感想や評価と、ネタバレありの結末や考察を書いています。

 

目次

 

ブラック・ミラーシーズン4-5「メタルヘッド」
ブラック・ミラー4-5「メタルヘッド」より

 

監督 キャスト情報

邦題 メタルヘッド
原題 Metalhead
監督・ディレクター David Slade/デヴィッド・スレイド
原作・脚本 Charlie Brooker/チャーリー・ブルッカー
主演男優 該当無し
主演女優 Maxine Peake/マキシン・ピーク
動画配信サービス Netflix
ジャンル 海外ドラマ/SF/スリラー
おすすめ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆ (4点)

 

エピソード5 あらすじ ストーリー

 

 主人公の女性ベラと、男二人が、倉庫に何かを取りに忍び込む。

 

そこで恐ろしい”イヌ”と呼ばれる四足歩行のロボットに見つかってしまい、仲間はすぐにやられてしまった。

 

ベラは必死に逃げ、なんとか”イヌ”を撒こうとするが、追跡チップや音声、血の跡など、あらゆるセンサーを駆使してどこまでもどこまでも追ってくる。

 

ベラは”イヌ”から逃げ切ることができるのか?

また彼女たちは一体何を探しに危険を冒して倉庫に忍び込んだのか…?

 

ネタバレなし感想・レビュー

 

これは面白く無い。

 

見終わった後、何を観せられたんだという感じでした。

 

ブラックミラーだから、この拍子抜け感の裏にも何か周到な意味でも用意されてるのかと考えてみましたが見当たりません。

 

そこで監督の情報を調べてみると、このデヴィッド・スレイドという監督は、ミュージックビデオをたくさん撮っていた人みたいですね。

 

それで思ったんですが、この映画は、音楽の無いミュージックビデオを観ているような感じだったなと。

 

イメージ映像と言いますか、なんかクールな映像を物語仕立てに繋げたという感じがしました。

かっこいい音楽に乗せて3分半で観せられた「ひょー!クール!」と思えるような何か、でした。

 

この映画からは、とにかく色んな要素が排除されています。

 

登場人物は3人しか出てきません。

途中無線でベラが交信を試みますが、一方通行で向こうの声は聞こえず、人間の気配が極端に排除されていました。

 

そして白黒映像で色が無く、さらにBGMもエンディング以外使われていません。(車のカーステレオを使って”イヌ”をおびき寄せるという仕掛けはありましたが)

 

さらに会話も最小限で、その内容も、世界観設定を説明するような視聴者へのメッセージ的な内容は一切無く、ぎりぎり今の状況が把握できる程度の内容でしかありません。

 

あとは大体ファックと言ってるだけです。

 

なぜこの世界はこうなったのか、仲間はどれくらいいるのか、”イヌ”とはなんなのかなどということについての説明は一切排除しています。

 

こういうわざと色んな要素を”排除する”という演出は、色々な芸術の表現技法の中でよく使われる効果的な方法だと思うのですが、なぜ排除するかというと、それは視聴者の想像力に任せて世界観に幅と深みを持たせるためだと思うのです。

 

思うのですが、この物語には、わざわざ想像力を働かせて考察したりするほどの味わいが、全然無い。

 

どうせどこかの軍かなにかが、最先端技術を使って恐ろしい戦争用のロボットを作って、それが暴走して止められなくなり、人間は徐々に狩られて世界が荒廃しているとかなんとか、そんなわざわざ言葉にするのも照れ臭いようなありきたりな設定です。

 

『ブラック・ミラー』という作品に一貫したテーマとして、近未来的な技術と、その技術が人間に及ぼす影響、というようなものがあると思います。

 

SNSが発達していく先にこんな弊害があるかもしれない、視界を録画したり再生したりできる機械ができたら、こんなことが起こるかもしれない、と、現代ならではの発想から、考えさせられたり、面白いな〜怖いな〜と思わされる部分というのは、色々これまでありましたが、この『メタルヘッド』は、ただただ発達した技術を兵器に利用したことにより、人間は滅亡の危機に瀕してしまった、という、何十年も前からあらゆる作家が擦り切れるほど使い古してきた未来設定を、そのままやっちゃってます。

 

びっくりするほど安直です。

 

BGMも無く、白黒映像で、説明的なセリフも使わず、詩的に意味深に進むストーリー。

 

確かに途中はずっと意味深で緊張感がありましたし、どうなるんだどうなるんだと、逃げ切れるのか?また逃げ切った先になにがあるんだ?と思わされましたが、ラストシーンを見終わった後の肩透かし感はかなりのものでした。

 

『ブラックミラー』シリーズは夫婦で好きで、いつも観る時は一緒に見るのですが、この作品を見た嫁が、視聴し終わった後、この脱力感というか残念感を端的に的確に表現していました。

 

 

「この作品はな、なんかスベってる。

 

ネタバレあり結末・ラスト・考察・感想

 

以下ネタバレを含むので視聴前の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

この話は、メタルヘッドのwikiに書いていましたが、ボストンダイナミクスという企業が作った四足歩行型ロボット『BigDog』を見た時に感じたそのなんか”キモさ”から着想を得たということらしいですが、それを読んで思うのは、ほんとにその着想だけの作品だなという事です。

 

キモくて怖い無敵のロボットが、人間を駆逐する、というだけのお話でした。

 

途中お金持ちの家に逃げ込み、グランドピアノやギターが置かれてある部屋の光景を主人公のベラが見て、はっとするシーンがあります。

 

意味深なわりに全然ストーリーに関係無いんですが、このメタルヘッドの世界は、人間の豊かさである、音楽とか芸術とかそういうものとはかけ離れた世界に成り果てており、ベラはそれらを見た時に、こんな時代もあったな…みたいな感じで呆然とした、ということだと思います。

 

すっごい意味深なシーンでしたが、たぶんそれだけのことですよね。

なにか意味があるのかと見返しましたが、それ以外何も感じ取れませんでした。

 

ショットガンの弾を見つけて、ペンキを浴びせた後戦うシーンは相当手に汗握りましたし、その後、「やった倒した!」と思った直後追跡チップを撃たれた絶望感もすごく良かったんですが、最後のテディベアというオチは…

 

はぁぁぁああ?!

 

 

ラストシーンまでは相当高まっておりましたし、前話でめちゃくちゃ感動したことも、ブラックミラーシリーズへの期待が元から高いこともあり、このオチでのがっかり感は凄かったです。

 

もうすぐ亡くなるジャックに…?

 

テディベアを…?

 

 

へぇぇ……

 

 

 

ほんと40分では無く、3分半で音楽にのせてやって欲しかったです。

 

第六話『ブラック・ミュージアム』のレビュー記事も合わせてご覧ください。

第6話『ブラック・ミュージアム』感想と評価

 

第四話『Hang The DJ』のレビュー記事も合わせてご覧ください。

第4話『Hang The DJ』感想と評価

 

ブラック・ミラー全シーズン感想記事まとめ

 

『ブラック・ミラー』全シーズンの感想はこちらに一覧にしておりますので、ぜひ別のエピソードもご覧ください。

 


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シーズン4『メタルヘッド』予告編youtube動画

 

『Metalhead』予告編