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ブラックミラーシーズン2第1話『ずっと側にいて』感想と評価(ネタバレなし&あり)


ブラックミラーシーズン2第1話『ずっと側にいて』に関する、ネタバレなしの感想や評価と、ネタバレありの結末や考察を書いています。

 

目次

 

ブラック・ミラー シーズン2-1「ずっと側にいて」
ブラック・ミラー シーズン2-1「ずっと側にいて」より

基本情報

邦題 ずっと側にいて
原題 Be Right Back
監督・ディレクター Owen Harris/オーウェン・ハリス
原作・脚本 Charlie Brooker/チャーリー・ブルッカー
主演男優 Domhnall Gleeson/ドーナル・グリーソン
主演女優 Hayley Atwell/ヘイリー・アトウェル
動画配信サービス Netflix
ジャンル 海外ドラマ/SF/胸糞/ヒューマンドラマ
おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)

 

エピソード1ストーリー

 

若くして事故でパートナーを失った彼女は、彼のオンライン履歴を元に彼に似た擬似人格を作れるソフトを勧められる。

 

驚くほどそっくりの彼に初めは戸惑いながらも、心の空白を埋めるように徐々に深みにはまっていく。

 

人格までコピーできてしまうテクノロジーを持った世界で、愛は一体どのように作用するのだろうか…?

 

ネタバレなし感想・レビュー

 

クローン技術は倫理的に人間に適用はできませんが、この作品の中では、あくまでクローンを作るのではなく、愛する人に”似た”模擬人格を作って、その人工知能とのやりとりの中で、一時的な心の癒しを提供するという技術が、愛する人を失った痛みから立ち直れない人向けのサービスとして、確立しているという仮定の世界です。

 

筆者自身にも愛する人が居ますので、どうしてもその相手を被せて想定せずにはいられない設定でした。

 

想像してみて思うのは、やはり絶対に違和感を感じ、その小さなほころびひとつひとつが重なりあって、大きな拒否反応へと繋がって行かざるを得ないだろうということでした。

 

いくら似ているといっても、所詮は似せているだけ。

ちょっとしたしぐさ、癖、表情、口調、笑い方や、笑わせ方、嫌がり方や、喜び方、好きな食べ物をどんな順番でどんな風に食べるのか、苦手な状況にどんな考えでどういう判断を下すのか、二人で歩く時の息や、鼻歌を口ずさむ時の感じや、言葉の選び方など、その他ありとあらゆる些細な、お互いだけに感じあえた無数の機微を、完璧にコピーするなんて絶対に不可能ですし、なにより一番感じるであろうことは、どんなに完璧に近いコピーでも、この今目の前にある空っぽの魂と、長い間愛した魂とは、共有して積み重ねたものがまるで別物で、どんなに声や顔や性格が似ていても、”この魂じゃない”という感覚から逃れられないことだと思います。

 

たとえ亡くなった人の過去の膨大なデータをAIに詰め込んで、思い出話に花を咲かせたとしても、本当にその肉体とその魂で、自分の肉体と魂と一緒にその時その場で、共有したあの感じを、もう一度味わえるはずが無いと思うのです。

 

それはもう、似た相手であっても、全然別の出会いであり、たとえ相手がAIでも、もしかしたら自分の感情を投影して新しい愛を育むことができるかもしれませんが、それはきっと、元の愛の出所と届け先とは、なにか違う新しい芽生えであると思います。

 

つまり、亡くした魂を引き継げるような代わりはどこにも無い、というのが、筆者の平凡な感想なのですが、そこでひとつ、この作品が投げかける大きな問いが残っています。

 

それは彼では無い、彼の代わりにはならないと、分かったとして、果たして亡くなった者が残したログや痕跡を、そう簡単に”消去”してしまえるか、ということです。

 

たとえtwitterのつぶやきひとつ、facebookへの投稿ひとつにしても、残された者にとって、亡くなった者の痕跡は、消去してしまうには、あまりに辛い選択となるはずです。

 

ネタバレあり結末・ラスト・考察・感想

 

以下ネタバレを含むので視聴前の方はご注意ください。

 

 

 

 

途中まで、主人公の女性が彼の故郷の海辺で、スマホを通して景色を見せたりするあたりまでは、これはすごい美しいストーリーになるんじゃないかと思って見ていました。

 

現代では実現不可能な科学技術が、現代では考えられないような新しい慰めや愛、幸せの形を生み出すのかもしれない?という期待を込めて。

 

でもやっぱり人の心は、そんな簡単に造り物を受け入れることはできないようで。

 

終盤で主人公の女性は、こんなのはやっぱり彼じゃない、彼の代わりにはならないと、壊してしまおうとします。

でも、愛する人に似過ぎた相手を、命は無いと分かっていても、崖から落として壊してしまうことはできませんでした。

 

かといって失った彼の代わりに愛を注ぐこともできない。

 

そしてラストでは、目立たないように屋根裏部屋に、使わなくなった家具や大きいばかりで無用の長物と化した大型ブラウン管テレビか何かのように、捨てることも壊すことも、売ることも返品することもできずに、”とりあえず置いておく”、この完全に持て余した不気味な彼ロボットに対して「未処理」というレッテルを貼ることが、この物語の結末となってしまいました。

 

この結末の後味の悪さは、人間の技術には、たとえ可能だとしても手を出してはいけない領域があるということを、雄弁に物語っているようにも思えました。

 

同時に、愛する者を亡くした人にとって、愛した人の痕跡に、執着してもどうしようもないことと解ってしまっても、いかに離れがたいものであるかということも感じさせられました。

 

引き続き第二話もぜひご覧ください。

ブラックミラーシーズン2第2話『シロクマ』感想と評価(ネタバレなし&あり)

 

シーズン1の最終話はこちらになります。

ブラックミラーシーズン1第3話『人生の軌跡のすべて』感想と評価(ネタバレなし&あり)

 

全シーズンまとめ

『ブラック・ミラー』の他のエピソードの感想をご覧になりたい方は、こちらに全シーズン毎のエピソードをまとめております。

ぜひ見てみてください!

よろしくお願いします。

 


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